エッセンシャル思考という言葉を最近耳にする機会が増えてはいると思います。
「全部やらなくてはいけない」「どれも大事だ」「頼られたら断れない」
こうした思考が人生をすり減らしていると聞いたら、どう思いますか?
「やるべきことだけが増えていき、時間だけが圧迫される…。」
「集中できない。終わらない。」
あなたがまさにこの状態であるのならば、エッセンシャル思考を身につけることで解決の糸口が見つかるかもしれません。
エッセンシャル思考を今知らなければ、今後大きく時間を無駄にしていくことでしょう。
今回の記事では、著書【エッセンシャル思考】を読んで気になった言葉、実践していただきたいという要点をまとめていきます。
そもそもエッセンシャル思考とは?

エッセンシャル思考とは自分が一番大事なものを見極め、それ以外の選択肢をうまく捨て、本質的なものに最高の力を発揮できるようにする技術のことを指します。
シリコンバレーのコンサルティング会社THIS IncのCEOを務めているグレッグ・マキューン氏が書いた本です。
簡潔に言うと、【99%の無駄を捨てて、1%に集中する方法】が書かれています。
世の中には、さまざまな選択肢やチャンスがあります。
多くの話に、あなたは興味を引かれて魅力的だと感じるかもしれません。
しかし、本当に重要なことは意外と少ないのです。
エッセンシャル思考を身につければ、あらゆる妨害を受けずに本質だけを見極め、集中して取り組むことができるようになります。
あなたの慣れ親しんだ「当たり前」だと思っている常識は、あなたを混乱に導いています。
本当に大切なものを見極めて、最高のパフォーマンスを発揮できるようにしていきましょう!
優秀な人こそ失敗する可能性が高い

優秀で努力をする人ほど、【成功のパラドックス】に陥りやすいと言われています。
パラドックスとは:一件正しそうだけど、正しくないこと
成功、成果を目指すと、人は同じような失敗の道を歩むことが多いです。
まず目標をしっかりと決めて、ゴールに向かって一直線に進んでいくとします。
もし成功したとすると【頼れる人】という評判を得ることができます。
次に、「あの人に任せておけば大丈夫」と言われて、どんどん多様な仕事を振られるようになります。
やることが増えすぎて、時間とエネルギーが垂れ流しの状態になっていくわけですね。
最後に、本当にやるべきことができなくなり、どうすればいいかの方向性を見失ってしまうのです。
あなた自身、もしくは身近な人で、このような状況に陥ってしまっている人はいませんか?
僕たちは選ぶことができるのにも関わらず、実際には選べていないということは多いです。
「社会人だからしょうがない!仕事とはそういうものだ!」と思う気持ちも分かります。
しかし、断らずすべてを受け入れる生き方をしていると何もかもが疎かになってしまうのではないでしょうか?
「全部できる、全部やる」のではなく、「なんでもできるが、全部はやらない」という考え方を持つことがスタートラインです。
本当に重要なことを見分けなければ潰れるのを待つのみ

アメリカの有名なビジネスコンサルタントであるジム・コリンズ氏は、著書「ジョナリーカンパニー3 衰退の5段階」のなかで、成功した企業がいかにして衰退をするのかを分析しています。
ジム・コリンズ氏によると、【失敗の主な理由は企業が「規律なき拡大路線」に陥ったことが原因だ】と言っています。
要するに、やたらと多くを求めすぎたからこそ衰退していったということです。
これは個人にも当てはまることですよね?
人に頼られて、さまざまな依頼を請け負うことでどんどん「規律なき拡大路線」に陥るというわけです。
方向性を絞れば、より大きな成果を出せる
エッセンシャル思考は、より多くのことをやりとげる技術ではありません。
正しいことをやりとげる技術です。
あなたの時間とエネルギー(努力)をもっとも効果的に配分して、重要な仕事で最大の成果を上げることこそがエッセンシャル思考の狙いです。

上記の図のように、同じエネルギーを使ってもあらゆる方面に努力が分散してしまっては、ほんの少ししか進むことはできません。
努力の方向を絞ることができれば、より遠くまで進むことが出来るのです。
エネルギーの使いどころを必要最低限にして、一番大事なものごとで最大の成果を上げていきましょう!
自分に自問自答してみる時間をつくる
あらゆる選択肢を実行していると、すべてが中途半端な結果になってしまいます。
何かに手を出す前には、幅広い選択肢を慎重に検討しましょう。
そして、「これだけはやろう!」ということだけを実行します。
「自分は何が好きなのか?」
「自分は何が一番得意なのか?」
「自分が貢献できる大きなニーズは何か?」
というように自分に自問自答してみてください。
考えるべきは、どうすれば最高の成果が出せるかということです。
正しいことを、正しいときに、正しい方法でやることを徹底していきましょう。
捨てる技術があなたを救う

クローゼットを整理せず片付けないで放っておけば、どうなりますか?
もちろん、どんどん服は溜まっていき、パンパンになってしまうでしょう。
もし一念発起して全部の服を捨ててみたとしても、クローゼットを整理する方法を確立していない限り、また同じことの繰り返しです。
何が必要で何が必要ではないのかを判断する必要があります。
すべてを手に入れることが不可能ならば、何かを捨てるしかありません。
「周囲に認められたい」「お願いされたら断れない」という思いから、なんでも引き受けてしま人は多いと思います。
しかし、最高の成果を上げるためには、断ることが必要です。
ピーター・ドラッカー氏は下記のように述べています。
「できる人は『ノー』と言う。『これは自分の仕事ではない』と言えるのだ」
不要なことを捨てるためには、誰かにノーを言わなくてはなりません。
もちろん、不愛想に断るという意味ではなく、相手を傷つけずに言葉に気を付けながら思いやりを持って断る必要があります。
捨てるために仕組みづくりをする
ルールとやり方を決めていれば、決断するのはそのルールに従って判断することができます。
本当に必要なものとそうではないものを、感情を挟まずにシステマティックに分けていきましょう。
大事なものを知り、不要なものを捨てて、決めたことをスムーズにやり遂げるためにも、人生のあらゆる場面で仕事や用事を正しく減らすことが重要です。
評価する
実行する前に、「今これは本当にやりたいことか?」と自分に聞いてみて、やりたい度合いに点数を付けましょう。
100点は、絶対に何が何でもやりたい!
0点は、何があろうともやりたくない!とします。
実際に点数をつけてみて、90点以上のものだけやるようにすれば中途半端な選択肢に悩むことがなくなります。
捨てる
90点未満のものは、すべてやらない。
シンプルな数字で決めることで選択が合理的・論理的になるわけです。
感情が入り込む余地をなくしましょう。
実行する
決めただけでは何も変わらないので、意思決定したことを確実に遂行しましょう。
上記のように捨てるまでのプロセスを仕組み化をすることが出来れば、無駄なことに振り回されずに納得できることに集中できます。
人は刺激的な目標でないと動かない

目標を大きく分けると、4つに分類されます。
ビジョン・ミッションは、「世界を変えたい!」のような刺激的だけど、具体性に乏しいもの。
四半期目標とは、「前年よりも10%の売り上げアップ」のような具体的だけど、魅力的ではないもの。
価値観とは、「クリエイティブ」や「チームワーク」などの企業が重視している価値のことで、ありふれたようなもの。
目標を設定するときには、【本質目標】で設定するようにしましょう。
本質目標は、具体的かつ刺激的な目標です。
そして本質目標は、完全な明確さにこだわる必要があります。
なぜなら、それが仕事の成果に直結するからです。
目標が明確でなければ、結果はたいてい悪い方向に向かっていってしまいます。
目的が明確でなければ、人は動かすことができません。
何か分からないものに、モチベーションは上がりませんよね?
会社の目的やメンバーの役割が明確ではないと、社内は混乱し、ストレスを抱え込み、どうでもいいことに時間とエネルギーを浪費します。
シンプル、具体的、刺激的、測定可能な目標
誰もが明確に理解でき、方向性を間違えずに行動できるような目標を設定することが大事です。
例えば、下記のような目標はどうでしょう?
「2030年までに日本のすべての人が電子決済でモノを購入できるようにする。」
シンプルで、具体的であり、刺激的ですし、測定が可能ではないでしょうか?
具体的でリアルだからこそ、人の心を動かすことができます。
本質目標を立てれば、みんなのやる気は違ってくるわけです。
上手な断り方を身につける

エッセンシャル思考の生き方は、ノーを言い続ける生活です。
「なかなか断るのって苦手だな…。」そう思う方もいると思います。
どのように断るかは重要ですので、さまざまなパターンの断り方をマスターしましょう!
1. とりあえず黙る
気まずい沈黙を怖がらず、沈黙を味方につけましょう。
誰かに何かを頼まれたら、少しだけ黙ってみるのです。
少し間を取ってから話をしましょう。間が重要です。

2. 代替案を出す
断る代わりに代替案を出すことで、相手に歩み寄っていることを伝えます。
断られた方もマイルドに受け取ってもらえるでしょう。
3. 予定を確認して折り返す
一度仕切りなおすことで、しっかり考えたうえで断った印象を残せます。
また、一人でしっかりと考える時間ができるため冷静に判断することができます。
4. 冗談めかして断る
冗談めかして、煙にまく作戦です。
上司や上の立場の人にはやりづらいですが、親しい間柄には比較的やりやすい方法でしょう。
5. 別の人を紹介する
代替案に近いです。
「僕は無理なんですが、●●さんはもしかしたらやっていただけるのではないでしょうか?」といって別の人にまわしてしまう方法です。
ノーを言うことは、勇気がいりますが人生をコントールするには非常に重要です。
最初は気まずいかもしれませんが、徐々に回数を増やしていき慣れていきましょう。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
99%を捨てて1%に集中するイメージは付きましたでしょうか。
エッセンシャル思考で生きるということは、後悔なく生きるということです。
本当に大切なことを見極めて自らが判断していったものは、後で人のせいにすることなく責任のベクトルも自分に向けられるでしょう。
迷ったときには、「本当に重要なのは何か?」を自分に問いたいですね。
エッセンシャル思考をさらに深く学びたいという方はぜひ、「エッセンシャル思考」を読んでほしいです。
その際に、僕は【マンガでよくわかる】シリーズをオススメしています。
マンガで書いてあると、スラスラと入りやすいですし、ちょっとした時間で読めてしまいます。
「マンガでよくわかるエッセンシャル思考 著:グレッグマキューン」
文字だけではなく、図や絵などがあると記憶に残りやすいので、ぜひお試しください。
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